最初、ことしの企画を知ったとき、あぁ、夢列島もこれで終わりかと落胆した。どこかの局が「地球を救う」という美名のもとにやりそうなことをどうして「夢列島」でやらなければいけないのか、そもそも「夢列島」は4chのチャリティー・感動と対極にあり、トークとバラエティだけで24時間もぶっ通しでやるという"バカバカしさ"がひとつの面白みではなかったか。
しかし、放送直前になったいま、改めて番組のラインナップをながめて冷静に考えてみると、これもしようがないかなと思えてきた。
なんせ、いま放送中のフジバラエティーで"面白いもの"なんてどれだけあるだろう。"笑い"を楽しめる番組なんかほとんどない。27時間TVのベースとなるような番組はどこにも見当たらない。そうなると、「ことしは血を入れ替えてやってみよう」というのも当然のことかもしれない。
また、今回の二本柱「みんなでハモネプ」と「もう一度プロジェクト」も賛否両論あるにしろ、昨年の「うまいのも対決」や「着ぐるみ相撲」、一昨年の「27時間ベビーシッター」などに較べればはるかに練られた企画で、夢列島らしい。なにが起きるのかという期待感も断然高い。去年の2つの企画はどうして会議で通ったのか未だに信じられん。
メインテーマの"うた"についても、ちょうど10年前日テレが24時間テレビをリニューアルさせたときと同じ手という点で、批判も多い。しかし、それもまぁいいじゃない。日テレは武道館をカラオケボックスにするという試みで"うた"を持ってきた。それはいまでも続いてる。でも、それとは全く違う方向でフジらしく"うた"に切り込めば、それはそれで問題ないように思う。
だけど、やっぱり納得のいかない点も多々ある。まず第一にメイン司会。なぜ、みの氏なのか。今回の司会がみの氏でなければいけない理由がどこにもない。もちろん、ギャーギャー騒がれるだけのアイドルや冴えないお笑いタレントよりも、安心感をもっては見られるだろう。しかし、これでは意外性とか期待性に乏しい。企画が感動を呼ぶものであるのなら、なおさら、それを優しく笑いで包める人のほうが面白くなるような気がする。多少毒づいても、アハハと笑いで流せるような。例えば、笑福亭鶴瓶氏。
次にことしのタイムテーブル。これも納得いかない企画がたくさん。まず、ミリオネア。司会がみの氏だからやらざるを得ないのか、あるいはこの企画ありきで司会がみの氏になったのかは知らないけれど、"うた"とも"絆"ともなんの関係もないこの企画がどうして"どゴールデン"のこの時間に組み込まれたのか。
その次の「東京物語」。そもそも「夢列島」でドラマをやることじたい反対。こんなもの金曜エンタでやったらいい。せっかくのバラエティーほぼ無風時間帯に、わざわざ、土曜ワイド劇場とガチンコする必要はどこにもない。もっと笑わせろ。
深夜はまぁ、こんなものかなと思うけど、「今夜も眠れない」は今年で3度目。そろそろ新しいものを持ってきてもいいような気がしないでもない。「ヒットパレード」も深夜の若者向けなんだろうけど、普通の日の深夜にでもやってくれたらそれでいいような企画に思える。夢列島でしか見られない深夜企画を見たい。別にエロじゃなくてもいい。たとえば、6年前の「女子アナリンピック」のような、ダラけたなかにも笑いありという感じの。この時間をあっさり若手に譲るのはもったいない。この人が深夜じゃもったいないという位のが見たい。
そしてなにより許せないのが日曜日。「めざまし」に「とくダネ!」。平日だけでお腹いっぱい。わざわざ「夢列島」でもってくる企画には思えない。「夢列島」でしか見られないような面白企画をやってやろうかっていう気概はないもんだろうか。たとえば、5年前の「ツルベVsヒトシ」。結局あのときの1回きりだったけど、あんなに笑えた日曜日の朝の企画はなかった。
あとはまぁ、こんなもんかな。でも、やっぱり今年も何時〜何時まではこのコーナー的なものになったのは残念。27時間テレビでやるべき、あるいは27時間テレビでしかできない企画というのがない。6年前まであった「○×王」なんてまさに、「夢列島」にうってつけの番組だったと思う。
まあいろいろ文句があるにしろ、ことしは去年よりも「夢列島」らしく、去年よりも面白いものを期待しております。
長々、つらつらと書いてきましたが、もし読んでいただいた方がいらしたら心からお礼申し上げます。これがワタシの「夢列島」に対する熱い思いです。
平成14年7月3日